賃貸物件を借りたことがある人なら知っていると思いますが、初期費用って高額になるので、少しでも安くしたいですよね。結論から言うと、初期費用の値下げ交渉は可能です。そこで実際に私が値下げに成功した例を紹介しながら交渉のコツを公開します。
初期費用っていくら必要?
改めて初期費用はいくら必要かというと、一般的には家賃の4~5倍が相場となっています。家賃7万円の物件なら、契約時に30万円以上支払うことになります。

ええ~!高すぎる!何にそんなにお金がかかるの?

具体的には礼金(れいきん)、敷金(しききん)、仲介手数料など下記の費用がかかります。
初期費用 | 説明 | 退去時の返金 | 相場 |
---|---|---|---|
礼金 | 大家さんへのお礼 | × | 家賃1か月~2か月分 |
敷金 | 退去時に破損や汚れを元に戻すための費用 | 〇 | 家賃1か月~2か月分 |
保証金 | 敷金と同じ。関西や九州では保証金と呼ぶ | 〇 | 家賃3か月~6か月分 |
仲介手数料 | 物件を紹介してくれた不動産会社に支払う | × | 家賃1か月分 |
前家賃 | 契約した翌月分の家賃を前払い | × | 家賃1か月分 |
火災保険料 | 火災時の賠償のため、加入が義務化 | × | 2年で2万円 |
鍵交換費用 | 玄関のカギを交換する費用 | × | 1.5万円~2万円 |
初期費用は誰に支払うのか?
礼金・敷金や家賃・管理費は、まとめて不動産会社が受け取ったあと、礼金と家賃のみ物件オーナーである大家さんに支払われるケースが多いです。仲介手数料は、物件を紹介してくれた不動産会社に支払うお金で、物件を管理する不動産会社と同一になるケースもあります。
値下げしやすいお金ランキング
値下げ交渉には時期も関係してきますが、どの項目をどうやって値引きするか解説します。
1位.礼金(れいきん)
礼金は、大家さんに支払うお礼のお金ですが、最も交渉しやすいお金になります。大家さんからすれば、ボーナスみたいなお金なので、家賃のほう重要なのです。
ちなみに人気物件ほど礼金をつけてきます。「礼金:家賃2か月分」みたいな物件はほとんどが新築だったり、人気物件の場合です。
- 新築だと礼金が付くケースが多い
- 築年数が古いと礼金なしのケースが多い

私は過去に3回、礼金「2か月」の物件を「1か月」にしてもらいました。

ええ~!人気物件ってことでしょ?どうやったの?

まずは、時期が重要です。1~3月、9月~10月は賃貸の繁忙期(はんぼうき)と呼ばれ、探す人が最も多い時期になります。逆に7月~8月ごろ、12月はねらい目です。

どうしても2月に引越ししたい場合はどうしたらいいの?

繁忙期は交渉のコツが必要です。入居日を早めれば、交渉に応じてくれる可能性は高まります。「入居日(家賃発生)を早めるから、礼金を安くしてほしい」と伝えるのが良いでしょう。

でも、あまり早くは入居できないわ。具体的にどのくらい早めたらいいの?

それは言わずに相手の提案を待つのが良いと思います。相手は2週間まで待てるのに、こちらが先に1週間と宣言してしまうのは賢い交渉ではありません。
2位:仲介手数料(ちゅうかいてすうりょう)
仲介手数料は、物件を紹介してくれた不動産会社に支払う手数料です。しかし、物件を管理する不動産会社と入居者を紹介する不動産会社が同一のケース(下図)を見てください。

なんだか不動産会社はたくさんお金がもらえるわね~。

そうなんです!このように物件を管理する不動産会社では、仲介手数料をもらわなくても、他にも収入源があるのです。

つまり、仲介手数料を値引きしやすいってことね!!

その通りです!最初から「仲介手数料無料」をうたっている不動産会社のカラクリはこれなんです。

エイブルも仲介手数料半額をうたっているわよね!
3位:家賃
実は一番ハードルが高いのが家賃です。ごくたまに「フリーレント」付き物件というものがあります。これは、「最初の〇ヶ月は家賃無料です」という物件になります。そのような物件に出会えたらラッキーですが、通常は家賃を支払う必要があります。
家賃は大家さんの収入源です。交渉は不動産会社でなく、見えない大家さんとすることになります。以下にポイントをあげておきます。
- 時期は7~8月、12月ごろを狙うと良い
- 周りの家賃相場と比較して高いければ交渉材料になる
- 長期間、空室が続いているのか確認する

いつから空室が続いているのかなんて分かるの?

確実ではありませんが、分かる可能性はあります。まずはガスメーターのチェックです。ガスメーターに閉栓日が記載された札が付いているケースがあります。


もしくは、下駄箱かキッチンに、ガス開栓に関する書類が置いてありますので、そこにガス閉栓日が記載されていないかチェックしてみてください。


ガスを止めた日、つまり退去日ってことね!
最低でも1か月以上、空室が続いていなければ家賃交渉は難しいでしょう。また、周辺で同様の物件のほうが家賃が安いのであれば、その広告を提示して交渉するのも1つの方法です。

ちなみに過去に、4か月間、空室が続いている物件を見つけて、75,000円⇒72,000円に値下げさせたことがあります。

家賃の値下げってそんな程度なのね・・・

はい、成功して数パーセントです。大家さんも家賃を下げれば、入居者が増えるのは分かってますからね!
まとめ
敷金はいずれ返金されるお金(全額ではありません)ですので、無理に値引き交渉しなくても良いかと思います。火災保険は、ネットで最安値の保険に加入すれば良いと思います。つまり、まとめると下記のようになります。
- 1~3月、9月~10月は繁忙期なので避ける
- 礼金がある場合は、真っ先に交渉してみる
- 礼金なしを探すなら築年数は古めにする
- 仲介手数料は、無料もしくは半額をうたっている不動産会社で探す
- 家賃はフリーレント付きの物件を探す