住宅ローン審査・通る人、落ちる人 審査基準を解説!

住宅ローン

住宅ローンの審査で落とされてしまった~。不動産会社からは8割大丈夫と言われていたのに・・・。

筆者
筆者

不動産会社では審査に通るか判断はできませんよ。でも、この記事で説明するポイントを押さえれば、住宅ローンの審査に落ちやすい人は、ほぼ分かります。

住宅ローンの審査の流れ

住宅ローン審査の流れ
筆者
筆者

まず、住宅ローンの審査は「仮審査(事前審査)」と「本審査」の2段階に分かれます。

私は事前審査で落とされてしまいました・・・。

筆者
筆者

事前審査で落ちた場合は、「信用情報」か「返済計画(つまり返済負担率)」に問題があったのかなと思います。それぞれのチェックポイントについて見てみましょう。

仮審査の内容

仮審査で、主にチェックするのは「信用情報」「返済負担率(返済計画)」の2点です。

1.個人信用情報の審査

まず最初に、あなたの信用情報がチェックされます。信用情報とは、お金の貸し借りに関する記録です。金融機関が連携して情報を共有する仕組みを作っているのです。記録する主な機関には、「CIC」「JICC」「全国銀行個人信用情報センター」の3つがあります。もちろん、自分の信用情報がどう記録されているのか請求することが可能です。

機関名記録情報
CICクレジットカード会社や信販会社に関する信用情報
JICC消費者金融事業者に関する信用情報
全国銀行個人信用情報センター銀行に関する信用情報

例えば、CICについて実際に参照してみると、こんな感じで記載されています。ここで金融機関は、「返済の遅延情報」「残りの債務」「キャッシングの上限金額」の3つを確認しています。所有するすべてのクレジットカード、自動車ローンが記載されており、それらすべてをチェックされます。

勝手にこんな情報を記録されてたのか・・・。たまに支払いが遅れてたかも・・。

筆者
筆者

上記の「入金状況」に「$」「-」が表示されていれば問題ありませんよ。しかし、「A」「B」「C」など記載があると「入金がない」ことを意味し、遅延になります。

あれ?1週間ほど遅延したことがあったけど、遅延になってない!

筆者
筆者

さすがに1週間程度じゃ、事故扱いにはされませんよ(笑)3か月以上続くと異動記録、いわゆるブラックリストとして5年間記録されます。異動記録があると、ほぼ審査に落ちます

ひ~、危ない!では、他に何が問題だったんだろ・・・

筆者
筆者

残りの債務(残債)についても、要チェックです!特に、キャッシング枠は気を付けてください。

筆者
筆者

キャッシング上限は、いつでもお金を借りれる金額なので、「この人はキャッシング上限までお金を借りる可能性がある」という前提で審査されますよ。

2枚のクレジットカードに100万円ずつキャッシング枠が設定されてました。あとクレジットカードでのリボ払いの残債が50万円ほど・・・・。

筆者
筆者

合わせて250万円ですね。その残債とキャッシング上限金額は、あなたの借入可能額から差引かれるので、借入可能な金額が減りますよ

2.返済負担率(返済計画)の審査

返済負担率とは、年収に対する年間返済額の割合で、次のように計算します。

不動産会社では、年収の7倍まで借入可能だと聞きました。

筆者
筆者

雑すぎる計算ですね(笑)銀行がいくら貸せるかを判断する指標として、「返済負担率」という指標があり、つぎのように計算します。

返済負担率 = 年収 ÷ 年間のローン返済額

年間のローン返済額は、「借入額」「金利」「返済期間」によって変わりますが、審査では、返済負担率を30~35%以下になるように、借入額や返済期間を調整すると良いでしょう。

例えば、借入額3500万円、金利0.5%、返済期間35年のケースを見てみましょう(次図参照)。毎月の返済額は9.1万円で、年間の返済額(総支払額)は、109万円になることが分かります。

私は年収500万円だから、返済負担率は、約22%だな。問題なさそうだぞ。

筆者
筆者

いえいえ!これで安心と思ってはいけません!ここからが重要です。実は、普段私たちが目にしている金利ではなく、審査には「審査金利」と呼ぶ非公開の金利が利用されます。

審査金利?!実際に適用される金利と、審査の金利は違うってこと?!

筆者
筆者

その通り!!しかも、審査金利は3~4%の金利で計算されることが多いのです。

では、さきほどの計算を審査金利4%として計算しなおしてみます。

ひえー!なんと、返済負担率が約37%になってしまった。

筆者
筆者

繰り返しますが、返済負担率は30~35%以下が目安ですので、これでは審査に落ちる可能性が高いわけです。

今回、審査に落ちた原因はこれか・・・年収の7倍だから3,500万円までいけると思ったのに・・・。

筆者
筆者

ただ、審査金利を採用していない銀行もありますし、フラット35のような固定金利では審査金利も実際に適用される金利になります。

本審査の内容

仮審査は、申込者が自己申告した内容に基づいて審査しますが、本審査では「在職証明書」「源泉徴収票」「給与明細」など証明書を求めれることがほとんどです。

1.本人属性の審査

申込者本人がどんな人かという属性を審査されます。かなり重要なウェイトを占めます。主にチェックするポイントは次の7つです。

チェックポイント説明
ローン完済時の年齢返済期間を最大79歳まで設定できますが、完済年齢が60歳を超えると審査は厳しくなる可能性があります。
ローン申込時の年齢申込みは20歳以上で可能になりますが、借入時の年齢が若いほど完済時の年齢も若くなるため審査には有利です。
勤務先いわゆる帝国データバンク等で、勤務先の財務状態が評価されます。従業員の数などは関係ありません。
勤続年数一般的には1年~3年以上の勤務を必須としていることが多いようです。
年収前年度の年収を確認します。銀行各社によって異なりますが、最低でも100万円~400万円以上ないと厳しいです。「源泉徴収票」の提出が必須です。
雇用形態正社員でないと厳しいですが、フラット35なら非正規社員でも借り入れが可能です。
債務状況キャッシング枠やクレジットカード、自動車ローンの残債などを計算してどのくらい借金があるか確認します。仮審査の信用情報を再度チェックします。
筆者
筆者

勤務先や勤続年数、雇用形態の確認のために、勤務先から「在職証明書」を発行してもらう必要があります。

2.物件担保評価の審査

銀行や保証会社は、対象となる物件に「抵当権」を設定します。つまり、万が一、住宅ローンの返済ができなくなった場合に、物件の差し押さえをして競売にかけます。その売却金を返済に充てるわけです。十分な売却金になるか、つまりいくらで売れそうかという評価額を試算するわけです。

筆者
筆者

この評価額は、物件の購入価格と一致しませんよ。むしろ低くなることが多いです。

なんで評価額が低くなるんだ?だまされたってこと??

筆者
筆者

販売価格は、実際に買いたいって人が多くいれば高めになるし、買いたい人が少ないと安くするものなんです。しかもいつ売れるか分かりません。

担保にする物件は、いざというときすぐ売りたい訳ですので、すぐ売れる価格として評価されてしまうわけです。

なるほど。どんな物件が低く評価されやすいんだ??

筆者
筆者

売れにく条件だと評価は下がりますね。例えば、敷地が借地権だったり、築年数が古かったりすれば、評価額は下がります。

最近ではリノベーションされ室内は新築同様ですが、構造は昔のままという物件が見受けられます。銀行は室内状態よりも構造的な古さを評価します。しかし、評価額が低くても、借入額も少なければ問題になりません。仮に3500万円借り入れようとして、物件評価額が1000万円だったりすると、本人属性がよほど良くない限りは審査に落ちてしまいます。

構造税制上の耐用年数
木造22年
鉄骨造(S造)27年
鉄筋コンクリート造(RC造)47年

3.団体信用生命保険の審査

団体信用生命保険とは、万が一、あなたが亡くなっても保険会社が返済を肩代わりしますというものです。フラット35以外の金融機関は加入を必須にしています。ここで重要なのは加入を必須にしているが、必ずしも加入できるとは限らないという点です。当たり前ですが、保険会社として、リスクが高い人を加入させたくないわけです。

持病がある場合は、加入は困難になると言っていいでしょう。その場合は、フラット35を検討してみると良いでしょう。フラット35は、団体信用生命保険への加入が必須ではありません。ただし、自分が亡くなった場合の家族への負担を考えると、民間の生命保険には加入しておくべきでしょう。

借入額を増やす方法

審査は個人の信用力が非常に重要です。信用力が低い場合は借入額も低くなります。金融機関が、あなたの返済能力では審査を通せないと言っているのを無理やり広げるわけですので、おススメしませんが、方法はあります。

それは「連帯債務」「連帯保証」と呼ばれる収入合算や「ペアローン」という方法です。収入合算は1人の信用力でなく、2人の信用力で年収を底上げしますが、ペアローンは借入を半分ずつ夫婦でローンを組みましょうという借入方法です。

まとめ

万が一、審査に落ちてしまったら、次のチェックポイントを見直してみましょう。

  • 借入期間が65歳以下になるようにする
  • 金利4%で計算しても年間返済負担率が35%以下か確認
  • CICなど信用情報機関に遅延・異動の記録がないか確認
  • クレジットカードのキャッシング枠を解約する
  • 頭金0円にすると審査は厳しくなるので頭金を入れる(借入額の10%前後)

このほかにも、短期間に5~6社以上に審査を依頼していると、「この人は複数社に落とされた人なのか」と思われ審査が厳しくなるケースもあるよです。信用情報には金融機関へのローンの申し込みも記録されます。ただ、この情報は半年ほどで消えるので、申込みしすぎたかなと思ったら半年ほど空けてからチャレンジしてみましょう。

タイトルとURLをコピーしました