初めて住宅ローンを借り入れする人は、金利にもいろんな種類があることを知らない人も多いはず。今回、金利タイプごとの特徴やそれぞれのメリット・デメリットについて解説します。
金利タイプは大きく3つ
住宅ローンの金利タイプは、「全期間固定金利型」「固定金利期間選択型」「変動金利型」の3タイプがあります。
全期間固定金利型
全期間固定金利型は、借入時の金利が全期間で変わらないタイプで、代表的な商品として「フラット35」という住宅ローンがあります。

メリット | 借入時から月々の返済額、総返済額がずっと変わらないため、生活設計がしやすい。 |
デメリット | 変動金利型などと比較すると、一般的に金利は高くなる。 |
固定金利期間選択型
固定金利期間選択型は、借り入れ当初から2年、3年、5年、10年、15年などの一定期間中の金利が固定されるタイプで、「当初〇年間、金利〇%」と記載された住宅ローンになります。

メリット | 一定期間の金利が確定。固定期間終了後に金利が下がっていた場合、返済額の減少も期待できる。 |
デメリット | 固定期間中の金利は、変動金利よりも高くなる傾向あり。固定期間終了後の金利が上がったら返済額も上がる。 |
変動金利型
金融情勢の変化に伴い返済の途中でも定期的に金利が変動するタイプで、現在の金利がそのまま反映される住宅ローンです。

メリット | 固定金利型と比較すると金利が低い。返済中に金利水準が下がると返済額も減少する。 |
デメリット | 借入時に将来の返済額や総返済額が確定しない。金利が上昇すると返済額も上がる。 |
住宅ローン金利タイプ別比較
金利タイプ | 全期間固定 | 固定期間選択 | 変動金利 |
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金利 | 完済まで金利の変更なし。 金利が長期国債を目安に決定するケースが一般的。 | 一定期間(2~10年)だけ金利を固定。 固定期間が終了後は、変動金利型になるが、固定金利を再度選択できる場合もあり | 半年ごと見直し。 主に毎年4月1日と10月1日。 |
返済額 | 完済まで返済額の変更なし | 固定金利期間終了後に見直し。 (適用金利の変更による返済額の増減に限度なし) | 5年ごと見直し。(ただし、元利均等返済の場合は金利変更前の返済額の125%が上限) |
こんな人におすすめ
変動金利は、金利上昇は当分ないと考えてる人、金利が上昇しても返済困難にならない人(つまり、資金に余裕がある人)に向いています。
一方で、全期間固定型は、金利上昇リスクを負いたくない人、毎月の返済額をずっと変えたくない人に向いています。そして、固定期間選択型は、将来の金利水準はわからないが、当面は低金利のメリットを受けたい人に向いているといえます。
結局どの金利タイプが良いのか?
今までの解説でどの金利タイプが、自分に合ってるかなんとなくイメージができたでしょうか?ただ、筆者は現時点では、「変動金利」を選択することをおすすめします。理由は2つです。
過去の基準金利の推移

優遇前の基準金利の推移を見てみましょう。変動金利(赤い線)の金利がほぼ横ばい状態になっています。バブル崩壊してから、20年以上も低金利状態が続いているのが現状です。
金利タイプ別の利用者割合

変動金利は金利が低いのが1つの要因ではあると思いますが、全体の6割は変動金利を利用しているのです。