住宅ローン保証料とは?
住宅ローンは金融機関と契約すると思いますが、契約書を見てみると「指定する保証会社と保証委任契約を結ぶ」という内容が記載されているケースがあります。この時、保証会社に支払うのが保証料になります。要は、保証人の代わりに保証会社に入ってもらって、返済を保証してくださいというものです。つまり、金融機関は絶対に損しない状態になっているわけです。
万が一、返済が延滞すると、下図のように「代位弁済」といって、保証会社が残債を肩代わりします。そして、保証会社は申込者に取り立てを行うわけですが、それでも返済できないと、担保としている不動産は競売にかけられてしまいます。保証会社がこの延滞のリスクを負うわけですから、高額な保証料を要求してくるのもうなずけます。

住宅ローン保証料の相場は?
まず、住宅ローンの保証料の支払い方は、一括前払い型(外枠方式)と金利上乗せ型(内枠方式)の2つがあり、それぞれ相場が異なります。
一括前払い型の相場
一括前払い型は、住宅ローンを契約するときに、保証料全額を一括で支払う方法で、保証料の相場は借入金額の2%となります。
借入金額 | 保証料相場 |
---|---|
1,000万円 | 20万円 |
2,000万円 | 40万円 |
3,000万円 | 60万円 |
4,000万円 | 80万円 |
金利上乗せ型の相場
金利上乗せ型は、住宅ローン契約時の金利に上乗せして毎月支払う方法で、保証料の相場は金利+0.2%となります。例えば、3000万円を返済期間35年、変動金利0.575%で借入した場合、金利上乗せ型の保証料を選択すると、毎月の返済額は2,702円値上がります。つまり、1年で32,424円、35年で113万4千円になり、一括前払い型の2倍の金額を支払うことになります。
金利 | 月額返済 | 上乗せ後の金利 | 上乗せ後の月額返済 |
---|---|---|---|
0.575% | 78,874 円 | 0.775% | 81,576 円 |
一括前払い型 vs 金利上乗せ型 どちら?
3,000万円を35年間借り入れした場合、保証料の総支払額は、一括前払い型は約60万円、 金利上乗せ型は約113万円となることは分かりました。つまり、総支払額を安くするのであれば、一括前払い型が一番です。
しかし、数年以内に住宅ローンを借り換えするつもりだったり、家を売却するつもりなら初期費用を抑えられる金利上乗せ型を選択するのが良いでしょう。
保証料は繰り上げ返済で戻ってくる
毎月の返済とは別にまとまった金額を返済することで、返済期間を短くすることが可能です。これを「繰り上げ返済」と呼ぶのですが、当初の返済期間よりも短くなると保証料は戻ってきます。ただし、戻ってくるのは、 「一括前払い型」で支払った場合のみです。
保証料なしの住宅ローンってどうなの?
ネット銀行や地方銀行を中心に、「保証料なし」や「保証料不要」をうたっているケースが見られまが、保証料が不要の場合、審査が厳しくなるのが一般的です。契約者が返済できない場合に、債務を肩代わりをする保証会社いない分、銀行がリスクを負っているため、審査基準が厳しくなるわけです。ネット銀行は審査が厳しいと言われているのは、これが原因です。
なお、筆者の知る限り、保証料が不要な場合は、代わりに「事務手数料」「融資手数料」という名目で保証料と同等の金額が必要になるケースが多いのです。
各銀行の対応状況をみると、ネット銀行は「事務手数料」のみですが、都市銀行は 「事務手数料」 「保証料」かを選択することができます。
銀行 | 事務手数料 | 保証料 (借入1000万円、期間35年の場合) | 備考 |
---|---|---|---|
住信SBIネット銀行 | 借入金額×2.2% | 0円 | |
じぶん銀行 | 借入金額×2.2% | 0円 | |
りそな銀行 | 借入金額×2.2% | 206,140円 | 左のいずれかを選択 |
みずほ銀行 | 借入金額×2.2% | 206,110円~721,470円 | 左のいずれかを選択 |