イシュー・ツリーとは?課題解決の考え方

イシューツリーフレームワーク

課題解決には、その問題の本質をとらえる必要があります。問題の本質を追求していくときには、原因の仮説をツリー構造(木の枝の構成)にしたイシュー・ツリーというフレームワーク(考え方の枠組み)を利用します。なお、イシュー(issue)とは、課題を意味します。

イシュー・ツリーは、ロジックツリーの一種

よく間違われるのが、イシュー・ツリーとホワイ・ツリーです。ロジックツリーは、大まかにイシュー・ツリーとホワイ・ツリーに分類できるのですが、違いを理解できていない人がいます。

イシュー・ツリーとは?

課題があった場合に、施策を洗い出し、解決方法を探るために利用します。課題を分解していく際に「仮説」を立てて、肯定的な表現で分解していきます。

イシューツリーの例

「利益を増やしたい」という課題(issue)に対して、利益に関係する「売上」と「コスト」の2つに分解できます(上図の2階層目)。さらに「売上」は、「客数」と「客単価」に分解でき、「コスト」は、「変動費」「固定費」に分解できるというわけです(上図の3階層目)。

このように分解する際には、できるだけ大きな単位で分解していくことが重要です。いきなり細かい分解をしすぎると、洗い出しが出来なくなります。

ホワイ・ツリーとは?

問題が発生した場合に、それが何故発生したのか、根本原因を探るために「”なぜ?”を最低3回は繰り返せ」と上司に言われることがあります。なぜ?つまり「WHY(ホワイ)」を繰り返すことで、根本原因を探ろうとするアプローチは、ホワイ・ツリーになります。問題の分解は、否定的な表現で分解していきます。

ホワイツリーの例

ホワイ・ツリーは、トラブル発生時の再発防止策にもよく利用されます。なぜミスが起こったのかを根本原因が分かれば、それを防ぐための再発防止策も立てやすくなります。

筆者
筆者

例えば、「遅刻した」→なぜ?→「寝坊したから」→なぜ?→「寝るのが遅かった」→なぜ?→「0時過ぎまで飲んでた」が根本原因なら、「23時には必ず帰るためのアラームを鳴らす」が1つの再発防止策です。

イッシュー・ツリーとホワイ・ツリーの違い

ホワイ・ツリーは、問題の根本原因を解明するために利用されますが、イシュー・ツリーは、課題解決の手段やアイディアを見つけるために利用されます。アプローチの方法が異なるのです。

イシューツリーとホワイツリーの違

分解の仕方はMECEを使う

MECE(ミーシー)とは、Mutually Exclusive, Collectively Exhaustiveの略で、日本語に略すと「モレもなく、ダブりもない」です。要素を分解する際に、洩れがなくダブりがないように分解していくことが重要です。

悪い事例

MECEではなく、モレがある例

成人女性を「主婦」と「会社員」に分解していますが、成人女性には他にも「自営業」や「学生」「フリーター」など洗い出しが足りておらずモレが存在します。

MECEではなく、ダブリがある例

また、よく考えると会社員で主婦の人も居るハズですので、タブってしまっています。重複なく分けるには、「専業主婦」と「会社員」に分けるべきでした。

分解する軸を統一する

思いつくままに「20代」「主婦」「フリーター」のようにグチャグチャな分類方法はMECEとは呼べません。年代で分類するなら「10歳未満」「10代」「20代」「30代」・・・と切り口となる視点や軸を統一することです。性別で分類するなら「男性」「女性」、職業で分類するなら「専業主婦」「会社員」「学生」・・・などです。

最後に

私が就職活動で、集団面接を受けたときの話です。ある大学の学生に面接官が質問しました。

面接官
面接官

あなたが大学生活で、失敗した経験を教えてください

自分がメンバーを集めてバンドを組んだのですが、3か月で解散してしまったことです

面接官
面接官

その原因はなんだったと思いますか?

音楽性が合わなかったからだと思います

面接官
面接官

本当にそうだと思ってますか?

え?!は、はい・・・

面接官
面接官

分かりました。もう大丈夫です。

みなさんは、何がダメだったのか分かりましたか?そうです。全然、問題の本質を捉えられていないのです。筆者が横で聞いていて思ったのは、「音楽性が合わなかった → 何故? → 事前に方向性をすり合わせしなかった」となり、「メンバーを集める時に音楽の方向性を相手に示していなかった」のが問題の本質なのでは?と思いました。みなさんも、日ごろからツリー構造で問題を分解する癖をつけてください。

この記事を書いた人

宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー

2007年から不動産業界や金融業界で働いてきました。その知識をもとに、世の中の人に業界の裏事情も公開していきたいと思います。

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